年度経営計画の評価公表

平成28年度年度経営計画の評価公表 [平成29年7月26日公表]

経営計画の評価

北海道信用保証協会は、公的な「保証機関」として、中小企業の資金調達の円滑化を図り、中小企業の健全な育成と地域経済の発展に貢献して参りました。

平成28年度の年度経営計画に対する実施評価は以下のとおりです。

なお、実施評価にあたりまして、中小企業診断士 森永文彦様、公認会計士 籏本道男様、弁護士 伊藤隆道様により構成される「外部評価委員会」の意見を踏まえ、作成いたしましたので、ここに公表します。

1.業務環境

  • (1)地域経済および中小企業動向
    • ①北海道の景気動向
      北海道地域の景気は、緩やかに回復しています。最終需要面の動きをみると、公共投資は増加しています。輸出は下げ止まっています。
      設備投資は増加に転じています。個人消費は、雇用・所得環境が着実に改善していることを背景に、回復しています。観光は好調さを増しています。住宅投資は緩やかに持ち直しています。 生産は緩やかに持ち直しています。雇用・所得情勢をみると、労働需給は着実に改善しています。雇用者所得は回復しています。
    • ②中小企業を取り巻く環境
      景気全体としては緩やかに回復しているとあるものの、人口減少や少子高齢化に起因する中長期的な需要の減少、人手・人材不足、事業承継の困難化など先行きの需要増加を見込めない中での経営環境には、依然として不透明感が拭いきれません。
  • (2)道内企業の資金繰り状況
    • ①事業者向け貸出は、運転資金については年度を通じ、総じて前年を上回る状況で推移しました、設備資金については年度を通じ、前年を上回る状況で推移しています。
    • ②道内企業の資金調達環境をみると、日銀短観による金融機関の貸出態度判断(「緩い」-「厳しい」)は、製造業、非  製造業、全産業のすべてにおいて対前年度でプラス値となっており、前々年度から改善基調にあることから、資金調達環境としては明るい結果となっています。
    • ③金利面をみると、借入金利水準判断(「上昇」-「低下」)は、製造業、非製造業、全産業のすべてにおいて年度を通じてマイナス値にて推移しており、資金調達コストが低減している結果となっています。
  • (3)道内企業の設備投資動向
    • ①道内企業の設備投資額は、平成21年度までは総じて減少で推移していましたが、近年は景気が緩やかに回復している中、収益が改善するもとで総じて増加で推移しています。
    • ②平成28年度の設備投資状況は、製造業・非製造業ともに大型投資の反動から、前年度を下回る状況となっています。
  • (4)道内の雇用情勢
    • ①平成28年度の道内の雇用情勢は、引き続き改善しています。
    • ②完全失業率は前年度と同様の水準となっていますが、有効求人倍率は幅広い業種で人手不足が続いているため、7年連続で前年を上回り改善しています。

2.事業概況

当協会の平成28年度の事業概況について、保証承諾では、各種政策保証が中小企業・小規模事業者の資金繰りに寄与しているものの、中小企業・小規模事業者の借入に対する慎重な姿勢や低金利における信用保証料の割高感など保証付融資に対する環境が厳しいことなどから前年度を下回りました。

保証債務残高は、緊急保証の取り扱いでピークとなった以降、セーフティネット保証等の長期資金の償還が進む中、逓減が続いており、前年度を若干下回りました。

代位弁済は、年度累計95億円の実績で前年度を下回っているものの、依然として返済緩和を伴う条件変更を実施している先や経営支援を必要としている先は多い状況となっています。

求償権の回収は、代位弁済後の早期に現況を把握し、実態に見合った回収方針や行動計画を策定のうえ回収に努めたことにより計画は達成したものの、無担保求償権の増加などにより前年度を若干下回る結果となっています。

単位:億円、%

項目 件数 前年比 実績金額 前年比 計画金額 計画達成率
保証承諾 29,720 94.2 3,524 89.4 3,950 89.2
保証債務残高 90,539 96.4 7,571 94.6 7,890 96.0
代位弁済 1,338 93.2 95 89.7 117 81.2
求償権回収 - 32 93.9 27 119.3

3.決算概要

平成28年度の決算概要(収支計算書)は、以下のとおりです。(単位:百万円)

経常収入 9,856
経常支出 7,091
経常収支差額 2,765
経常外収入 14,927
経常外支出 15,220
経常外収支差額 ▲293
制度改革促進基金取崩額
当期収支額 2,472
  • ・経常収入は、保証料収入減少が主要因で前年比6億52百万円減少しました。
  • ・経常支出は、責任共有負担金の納付額減少により前年比4億5百万円減少しました。
  • ・経常外収支差額は、責任準備金の積立と求償権償却準備金の積立負担が減少し、マイナス幅は縮小しました。
  • ・当期収支差額は、24億72百万円となりました。この収支差額の剰余金処理については、基金準備金に17億円、収支差額変動準備金に7億72百万円をそれぞれ繰入しました。

4.重点課題への取組み状況

昨年度の重点課題として掲げた項目への取り組み状況は以下のとおりです。

  • (1)政策保証の推進
    • ①セーフティネット保証については、699件、127億68百万円の保証を行いました。
    • ②経営力強化保証については、112件、22億42百万円の保証を行いました。
    • ③借換保証については、7,153件、1,005億52百万円の保証を行いました。
    • ④流動資産担保融資保証については、91件、38億57百万円の保証を行いました。
    • ⑤小口零細企業保証については、4,932件、189億99百万円の保証を行いました。
    • ⑥創業関連保証・創業等関連保証については、1,216件、47億28百万円の保証を行いました。
    • ⑦経営者保証ガイドライン対応保証については、15件、7億65百万円の保証を行いました。
    • ⑧事業再生計画実施関連保証については、51件、8億7百万円の保証を行いました。
    • ⑨地方公共団体の保証制度についても推進に努め、北海道の「中小企業総合振興資金」については、6,011件、552億97百万円、札幌市の「一般中小企業振興資金」については、4,745件、506億87百万円、市町村特別融資については、5,334件、392億3百万円の保証を行いました。
  • (2)利便性の向上
    • ①CRDおよび審査支援システムの活用により審査の簡素化・効率化・迅速化に努め、中小企業・小規模事業者へのサービス向上を図りました。
    • ②金融機関との関係については、意見交換を含め情報の共有を積極的に推進するとともに、事前相談・照会に対しては迅速な対応に努めました。
    • ③経営金融相談窓口、夜間経営相談窓口および専用ダイヤルにより経営支援の充実を図りました。
  • (3)関係機関との連携強化
    • 北海道・市町村とは協議会の実施、意見交換等への出席により円滑な連携を進め、また商工会議所・商工会・中小企業団体等との保証業務に関する説明会を通じ、中小企業者のニーズ把握に努めました。
  • (4)保証業務の充実
    • ①金融機関との意見交換会、勉強会、一日研修等を実施し、保証制度等の更なる理解と周知に努めました。
    • ②平成28年10月から、当協会独自で、金融機関との適切なリスク分担を目的とした金融機関プロパーとの協調融資型保証制度「スクラム3000」を実施し、721件、84億18百万円の保証を行いました。
    • ③企業利用率向上を図るため例年同様「新規保証キャンペーン」等を実施しましたが、平成27年度の企業利用率32.8%に対し、平成28年度の企業利用率は32.6%と若干減少しました。
    • ④創業者に対する相談、支援体制の強化として、本店の業務部企業支援課が保証部管轄の創業案件すべての保証審査を担当し、相談・申込時に創業者への助言・提言を行うとともに、保証後のモニタリングも実施してフォローアップに努めました。また、創業に関する情報発信の取り組みとして、大学・専門学校等に加えて創業者向けの創業セミナーの開催、道内四つの国立大学の学生によるビジネスプラン発表会の開催、創業情報誌の発行、動画コンテンツの配信を開始しました。
  • (5)保証業務担当者に対する審査能力向上
    • 保証審査業務担当者の知識習得のため、創業保証・財務分析・期中管理(延滞調整)等の担当者研修に加え、現業指導時には事例のフィードバックを行いました。また、保証利用企業への訪問を、延べ252企業に対して実施しました。
  • (6)経営支援・再生支援のための積極的な取り組み
    • ①4関係機関(札幌商工会議所、札幌市、さっぽろ産業振興財団、北海道中小企業総合支援センター)の経営金融相談窓口への派遣に加え、当協会で夜間経営相談窓口を開設し、経営改善計画策定などに際して助言・提言を行いました。
    • ②中小企業・小規模事業者の経営改善、事業再生の支援を通じて地域経済の活性化に貢献することを目的に、金融機関 および中小企業関係機関からなる北海道中小企業支援ネットワークを当協会が事務局として、全体会議を上期1回、下期は札幌市、函館市、旭川市、釧路市の計4ヵ所で開催し、参加機関の連携促進に努めました。また、中小企業・小規模事業者支援に向けた意見交換のための経営サポート会議を開催しました。
    • ③返済緩和の条件変更を行う等経営に支障が生じている中小企業・小規模事業者に対して、金融取引の正常化を目指す ことを目的として、事業者訪問、専門家派遣、経営診断、経営改善計画の策定支援等を行いました。
  • (7)再生支援の体制整備
    • ①本店の業務部企業支援課を再生支援部署として中小企業診断士を専任者に配置し、公的機関および金融機関の再生支援部署等とも連携し、企業の再生支援に対し積極的に取り組みました。
    • ②企業の再生支援を目的とした国の政策保証にも積極的に取り組み、第二会社方式による実質債権放棄、求償権不等価譲渡、DDS等を行いました。
    • ③再生支援を行った企業に対しモニタリングを実施し、フォローアップ支援等を行いました。
  • (8)新規求償権に対する回収方針の決定と早期着手
    • 代位弁済後速やかに債務者と交渉を図るべく、債務者の実態把握および所有不動産の調査を行い、求償権の早期解決に注力しました。
  • (9)法的措置による回収促進
    • 任意回収が困難な先については、法的措置による回収を行う方針で臨みました。
  • (10)サービサーの活用と連携
    • 回収の効率化と最大化のため、本店で管理している求償権のうち無担保求償権を中心に委託を行いました。
  • (11)運営規律の強化
    • コンプライアンス態勢の定着、推進のために各会議等にてコンプライアンス研修を実施しました。
  • (12)電算共同システムの有効活用とリスク管理
    • 新制度の創設や機能拡充にかかる共同システムの変更に伴い、各部と連携して運用を取り進めるとともに、保証協会システムセンター㈱との日常的な連携を図りながら、電算共同システムを活用しました。
  • (13)広報活動の充実
    • ホームページの掲載情報は、協会の業務情報を迅速かつ効果的に発信するため、随時更新し活用するとともに、信用保証制度の理解と認識を深めるため、保証のしるべおよびパンフレットによる広報活動の充実に取り組みました。